ひとりごと blog page
天国へ
平成20年2月24日午前1時05分、息子丈一郎は静かに天国へ旅立ちました。
幼いながらにドイツでの渡航移植に最後の望みを託し、
1年3ヶ月の辛く苦しい闘病生活と、厳しい食事制限、水分制限に耐え抜き、
追い討ちをかけるような3度の大手術を乗り越えてきました。
あともうひと頑張りでした。
最後までおいしい物も口にできませんでした。しかしそれは、ドイツでの心臓移植を
親子で決心した、生きるための最後の挑戦だったので、後悔はしていません。
丈一郎もきっとそうだったと思います。
安らかにねむっている丈一郎の顔は、時間が経つごとに笑顔にかわっていきました。
棺に入るまえに、最後に夫婦で丈一郎を抱かせてもらえました。
本当に本当にそれが一番うれしかったです。
柔道着を着せたとき、とっても短くなっていて、心臓病の子供は大きくなりきれないといいますが、丈一郎は闘病中もすくすく成長していたんですね。
お通夜、葬儀には想像をはるかに上回る方々にご参列していただきました。
上津小学校の皆様と、地域の皆様の温かいお気持ちと、
この1ヶ月間、「丈一郎くんを救う会」の皆様が、自分を犠牲にして募金のお願いを広めていただいていた証です。本当にありがとうございました。
この素晴らしい出会いを、違った形で続けていけたらとお願いしたい気持ちでいっぱいです。
今回の丈一郎によって、私達も含め多くの方々が、「移植医療」に関心を持ったと思います。
日本は、世界レベルの最高の移植手術の技術がありながら、
法律の壁により救える命が置き去りにされています。
特に丈一郎は海外の受け入れ先の病院があり、募金活動もいつでもできる体制が、
整っているにもかかわらず、状態が悪すぎて渡航できませんでした。
日本でできればそこまで待つ必要もなかったのが、無念でなりません。
法律もすぐに変わることはできないでしょうけど、移植が必要な患者さんが少しでも楽になるような体制になっていったらと願ってなりません。
丈一郎も限られた時間を生きるため、一生懸命「命の炎」を燃やし、燃え尽きました。
やっと楽になれたことでしょう。皆様どうか丈一郎をいつまでも忘れないで下さい。